Before
 わたしに関わらないでください―――導かれるままにゲームをプレイすることになった『渚』。ゲームのクリア条件として、彼の守らなければならないキャラ―――『次代勇者』の少女と、彼は何とか出会うことができた。しかし、彼は困惑した。何故ならその少女は、自らの死を望む、死にたがりの勇者だったのだ―――。
かいり
(ID r9hykKTBRCOCE)
5.とある妖精の過去
死にたがりの勇者と守り人
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死にたがりの勇者と守り人5…
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始祖の竜神と平凡の僕。2.…
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鋼の心に灯すは紫炎~再生編…
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治癒魔法でも治せない君の心…
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死にたがりの勇者と守り人4…
25 分
第一章 大いなる海竜種 1…
28 分
死にたがりの勇者と守り人2…
16 分
女、三人集いて
14 分
第一章 大いなる海竜種 …
61 分
朝日山神社奇譚−付喪神物語…
18 分
治せないのは君の心だけプロ…
14 分
夏休みの終わる世界―第一話…
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 第一話 美女はワガママ
 
 可憐愛華(かれん あいか)は無茶苦茶だ!
 いつだって常に上から目線。
 自己中心的で、人のことなんか顧みない。
 きっと、「世界は自分中心に回っている」と本気で信じているに違いない。
 強気で負けん気だけは人一倍。
 相手が男だろうが年上だろうが、そんなことはお構いなしに、自分が正しいと信じることは頑固に主張して譲らない。
 かなり、生意気で鼻持ちならない存在……だと思う。冷静に見て。
 そんな、海乃高校一の傍若無人女に皆が一目置いているのは。
 ひとえにその名前負けしない美貌――冗談じゃなく、宇宙一という比喩しかない容姿のお陰だった。
 幼馴染の俺にしたら、『「宇宙一」は言い過ぎだろ?』って思うけど。
 ま……確かに。
 宇宙一は言い過ぎでも、「世界一」可愛くはあるもんなぁ。
 愛華は。



 午前七時三十分。
 ピンポーン。
 バタン!
 玄関のチャイムと同時にドアが開く音。
 靴を脱いで揃える気配。と、元気な足音が続く。
 トットットット……バタン!
「おはよう! 瑛(あきら)!
 リビングに登場する、愛華の満面の笑み。いつものように頬が紅潮していて……可愛い。
 おっと、いけない、いけない。
 俺は軽く頭を振る。
 他のどんな男共が騙されようと、俺だけは騙されちゃあダメだ。
 そう。生まれて十七年幼馴染をやって来て、愛華の本性を何もかも知っている俺だけは!
「全く……朝から……」
「おはよう、愛華ちゃん。今日もバッチリ、可愛いわよ♪」
 騒がしい女に苦言を呈そうと思ったら、母ちゃんの声に遮られる。
「ありがとう。おばさん」
 愛華はにこっと母ちゃんに微笑むと、当たり前のように俺の向かいに腰掛けた。
「うわああ! 今日も美味しそう」
 思わず齧り付こうとしていたマーマレードトーストの手を止める。
 彼女の視線に吊られて、テーブルに置かれた自分の献立を眺める。
 トースト、ハムエッグ、サラダ、牛乳。
 特に何の変哲もない朝食だが。
「はい。愛華ちゃん。食べて行くでしょ?
 当たり前のように母ちゃんが同じメニューを彼女の前に並べるもんだから。
「もちろんです。おばさんのハムエッグ、すっごく美味しいから!
 俺はそっと溜息を付いた。(愛華にバレると怒られるから)。
 コイツはまた今日も俺の家でタダ飯を食っていくのか……。
 と言うことはつまり。また学校まで一緒に登校するつもりな訳で。
 それは俺に、聞いて欲しい話があるということに他ならない訳だから……。
 はあ~~っ!
「コホン!
 バターを塗る手を止めて、愛華が俺を睨む。



「何なの? その溜息」
 俺は誤魔化そうとサラダに手を付ける。
 
 
 第二話 『楽しい』登校
 
「べ、別に? 今日も楽しい登校になりそうだなあって思ったら……さ」
 この所、毎日『楽しい』登校が続いている。
 もちろん『楽しい』のは愛華だけだ。
 いや、訂正。
 愛華にとっても、別に楽しい訳じゃない……、と思う。
 ここの所のアイツの話は、『相談事』だから。
 しかも、恋愛系。
 うきうき楽しい方じゃなく、別れ話の方。
「あら、察しがいいのね?
「そりゃまあ。……でも、昨日で一応、結論は出たんじゃなかったっけ?
 ぷいっと目を背けて膨れる。
「冷たいこと言わないでよ。結論は出たわよ? でも、大事なことがまだでしょう? あれからずっと考えてたんだけれど、頭がこんがらがっちゃって」
 牛乳をぐいっと飲み干す。
 いい飲みっぷりだ。
「いつも言ってるけど、俺、何のアイディアもないぜ?
「分かってるわよ。いいの。瑛はただ、聞いていてくれさえすれば。それだけで、何だか考えがまとまってくるんだから」
「別に俺じゃなくたって……」
 バンッ!
 テーブルを勢いよく叩くと、キッと俺を見据える。
「瑛以外に誰がいるっていうの? あたしの性格を誰よりも知り尽くしてる癖に!
「まあ、クサレ縁で仕方なく、だけどな」
「やむなくで結構! 兎に角、アンタ以上の理解者はいないんだから!
 確かに。
 愛華の話はよく飛ぶから……。細かい説明なしでも、あうんの呼吸で状況把握出来るのは俺くらいのものだろうが。
「それはそうだろうけど……」



 誉め言葉? とも思える発言ではあるが、俺は気乗りがしない。
 だって、話が昨日の続きってことは、そこから導き出せる帰結は……考えるだけで気が重い。
「そんなに渋らなくたっていいじゃない。分かってるわよ。瑛、水谷さんの事を気にしてるんでしょう?
「何で苺が出て来るんだよ?
 水谷苺(みずたに いちご)。去年の秋、生まれて初めて出来た俺の彼女だ。
「あたしと一緒に登校する所、見られたくないんでしょう?
「何を言うかと思ったら……。んな訳ないだろう?
 飽きれながらハムエッグの残りを平らげる。
 それでも愛華は疑いの眼差しを崩さない。
「そんなこと言ってぇ……本当は責められてるんじゃないのぉ? 『瑛ったら、どうして可憐さんと一緒に登校してくる訳?』って」
 バカバカしくて思わず立ち上がる。
「苺はそんなこと言わねぇって。愛華がただの幼馴染みだってことくらい、百も承知なんだから。バカ言ってないで、ほら早くしろよ。行くぞ?
「全く、鈍いんだから……」
 まだまだ二言三言言いたげだったが、俺は構わず玄関に向かった。
 さすがに慌てたのだろう。口をつぐむと、咀嚼に全力投球の気配が伝わって来た。
「おばさん、ご馳走様でした!
 言い終わるや否や、彼女の焦った足音が響いた。
 靴を履いて待っている俺を見ると、愛華は安心したように息を吐いた。
 
 
 第三話 春の嵐
 
「確か、一年生からの申し込みを断るんだったよな? 杉田とかいう。それと……一緒に島野先輩との交際も解消するって」
 高校への道をゆっくりと歩きながら、昨日までのおさらいをする。
「そうよ。決めたの、あたし。だって、二人とも本当に好きかっていうと……そうじゃないし」
「それが分かってるなら、どうして島野先輩と付き合ったりしたんだよ? 最初から断れば良かったじゃん?
 ぷっと頬を膨らます。



「意地悪。その時は、まだ他に好きな人がいなかったし。それに、島野先輩があんまり強引だったから……半ば根負けして、付き合うことになっただけで」
 昨年春。
 海乃高校に入学した途端、愛華は予想通り、全校の男共のアイドルになった。
 ラブレターは毎日引っ切りなし。
 告る男も途絶えない。
 そんな中、何度断られてもけして諦めない奇特な男が一人いた。
 それが当時二年生の島野雅紀(しまの まさき)先輩。
 来る日も来る日も、告白、告白、告白を繰り返し。
 愛華もとうとう根を上げて、付き合うようになった。
 
 それから一年。
 新しい桜の季節に、一年前の喧騒が戻って来た。
 これまでの経緯など知らない新一年生は、初めて見る『女神』の存在に、当たり前のように虜になった。
 当然、アプローチしない理由なんてない。
 結果。
 愛華の周辺で、昨年と全く同じ情景が繰り返される。
 ラブレターは毎日引っ切りなし。
 告る男も途絶えない。
 けれど、やがてその火は沈静化する。
 何てったって、愛華はもう付き合っているのだから。島野先輩と。
 ところがだ。
 そんな中、何度断られても……愛華が島野先輩の彼女だと知っても、けして諦めない豪快な男が一人いた。
 それが杉田拓也(すぎた たくや)。
 一年生だが、身長は俺より高い、ガッチリとしたスポーツマン。
 毎日毎日、飽きもせず、告白、告白、告白を繰り返している。
 愛華もとうとう降参して……そして決断した。
 杉田を振るだけでなく、島野先輩とも別れることを。
 桜の季節が運んで来たのは、何も周囲への熱風だけではなかったのだ。
 愛華の心の中にも、連れて来ていた。大きなときめきを。
 『恋』という名の春嵐を。
 



 
 第四話 フェイク
 
 明石一馬(あかし かずま)先輩がそのお相手。
 この四月に三年生に編入して来た、超弩級のお坊っちゃま。
 外食産業上場企業、株式会社アカシの御曹司。
 二年間の留学を終えて帰国した初日は、いきなり黒塗りの車で送迎されて来たから、否応なしに、全校生徒の注目の的になった。
 容姿端麗。
 存在自体に華があるというのは、こういう人のことを言うのだと感心する。
 それでいて、纏う空気はとても穏やか。
 野次馬で見物した俺でさえ……そう思ったのだ。
 生徒会として彼の案内役を務めた愛華は、きっとそこで素晴らしい魅力に触れたのだろう。
 次の日にはもう、『明石先輩を好き』だと自覚していたそうだ。
 恋に落ちるのに時間は関係ないのだと、俺は生まれて初めて知った。
 
「島野先輩も、杉田って一年生も泣くだろうけどさ……仕方ないよな」
 責めた訳じゃないが、愛華が少しだけ神妙な顔になる。
 それでも頭を振って、言い返す。
「悪いって思ってるわ。でも、譲れない。自分の気持ちが分かった以上、島野先輩にも、杉田君にも、嘘をつくことは出来ないから」
 凛とした瞳で俺を見る。
 その色の中に見える、決心の深さ。
 思わず魅せられて、吸い込まれそうになる。
「相変わらず格好いいな。お前」
 愛華は俺の言葉の意味が分からない、と言うように首を傾げる。
「可愛い、の間違いでしょ?
「いいや。カッコいいんだ。お前のそんな毅然としてるとこ、惚れ惚れするぜ?
「……誉めてるの?
「もちろん」
 照れたのか、無口になる。だから俺が話を軌道に戻す。
「それで……二人に交際を断ることまで決めたんなら、後は実行に移すだけだろ? これからが大変だと思うけど、頑張……」



「お願いがあるの」
 俺の言葉を遮って、目の前に立ちはだかる。
 言おうか言うまいか、逡巡するのが瞳の動きで分かる。
 俺はそれが定まるのを待つ。
 やがて心を落ち着けるように目を閉じた愛華は、ゆっくりと開眼した。
 瞳の色は、もう揺るがない。
「ついて来て、瑛。二人の前で、新しい彼氏の振りをして欲しいの」
 絶句する。
 突拍子もないのはいつものことだが。
 まさか、こう来るとは。
『何勝手なこと言ってんだよ?
『相手の矛先が俺に向いたら、どうしてくれんだ?
『もとはと言えば、愛華の撒いた種じゃん。俺を巻き込むなんて違うと思うぜ』
『他の奴ら頼めばいいだろ?
 ありとあらゆる反論が頭の中に溢れ、喉元まで出掛かる。
 
 
 第五話 最後の彼女
 
「水谷さんには……本当に申し訳ないと思うけれど……。あたし、彼女にちゃんと謝るから。だからお願い、瑛」
 そんなに必死な目で、見つめられたら。
「……だから、何でそこに苺が出て来るんだよ?
「当たり前でしょう? あたしが自分の都合だけで……瑛の身柄を『一時的に』とはいえ、借りることになるのよ?
「苺は、そんなことで怒るような女じゃねぇよ」
 苺の顔を思い出す。
 いつもにこにこ笑っていて、怒った顔なんか見たことがない。優しい俺の彼女。
「瑛のバカ」
 何故だか、不服そうに頬を膨らます愛華。
「兎に角。全てが終わったら、水谷さんにはちゃんと謝罪に行くから。だから、お願い!
 まるで営業マンのように九十度の角度で頭を下げる。
 いつもの愛華からは想像もつかない態度に、俺は思わず声を上げて笑っていた。



「分かった、分かったよ。聞いてやる。その代わり、相手の神経を逆なでするような断り方はするなよ? 逆上されて反撃されちゃ、たまらないからな」
 俺の言葉に、心底ほっとして、顔を上げる。
「あくまで低姿勢を貫くんだ。『悪いのは私。こんなイケメンに恋した私』って」
「イケメン……」
 愛華が唖然とするが、俺は敢えてスルーする。
「『あなたのことは嫌いじゃない。でも自分の裏切りを許せなくて辛い。苦しい』ってさ。相手の男が『愛華も辛いんだ』『これ以上愛華を苦しませたくない』って思うように」
!
「出来るだろ? 愛華なら」
 愛華は黙って俺を見ていたが。
 やがて大きく微笑んで、真っ直ぐに頷いた。
 また胸がキュンとしそうになって、俺は慌てて頭を振る。
 危ない危ない。また可愛いなんて思いそうになっちまった。
 顔がじゃない。その素直な態度が。
 心からの感謝をたたえたその瞳が。
「ありがとう。瑛。やっぱりあたしの最高の幼馴染ね」
 再び俺の横に並ぶと、歩幅も大きく、元気に歩きだす。
 ところが、しばらく歩くと、彼女の掌が俺の視界を遮った。
 愛華は前を見つめたまま、手と声で俺に止まるよう促す。
 角を曲がれば、正門前の横断歩道という場所で。
「そしたら、詳しいことは教室でね。あたし、先に行くから、瑛はもう五分程ここにいて?
 何のことかと彼女の視線を追って、納得した。
 正門脇で待っているのは……苺。
「一緒に登校したのは秘密よ」
 悪戯っぽく俺を見て念押しすると、勢い良く飛び出していく。
 それが、愛華を―――宇宙一美しい姿の彼女を見る最後になった。
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