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突然で申し訳ないのですが、私 流血 水は今幼馴染の吸血 姫によってベッドに無理矢理押し倒されています。 姫のお世辞にも大きいとはいえない胸が、私の目の前にあり私の視野を狭めている。そんな可愛い可愛い姫が私を押し倒している。しかもいつもは常につけている眼鏡を外しているので、普段とは全く違う姫の顔が間近にあるのだ。そんなの照れない方がおかしいくらいだ。 この状況を読んでいる方に説明するには、今日の学校からの帰り道頃まで、話を戻さなくてはいけないので、本当に身勝手で申し訳ないのですが、話を戻します。 〜今日の帰り道〜 いつも通りの帰り道で、姫といつも通りな馬鹿な会話をしている最中。姫が突然照れた表情で私の肩を掴んだかと思うと、照れていた表情を真剣な表情に変え喋りだした。 「姫⋯⋯今日誕生日だよね」 「う、うん」 「それじゃあこれから家来て!」 「え、うん別にいいけど突然どうしたの?」 「そ、そのもうとにかく来て!」 そう言いながら姫は私の大事な大事な顔を、一発勢いよく殴った。そりゃもうボクサーの右ストレート並の力強さで殴った。その言動に私は怒りを通り越しての驚きを見せた。 「えええええええええええれれー!」 今時こんな驚き方をする女性主人公がいていいのかと思うぐらいに驚いてしまった。(最後にれが入ってるのはeとrが隣にあっての打ち間違いだが、いい驚き表現になった気がしたので放置) 殴り終わった姫は謝罪の一言もなしに、家の方向に走って行ってしまった。それが姫最高速度なんじゃないかというぐらいの速さで、走って行った。 そんな姫の後ろ姿を見ながら私は、近所迷惑など考えずに自分が出せる最良の大きさの声で、もう一度驚いた。 「えええええええええええええええー!」 (そして今押し倒されています。 え? うんこれじゃあなんで押し倒されてるのかわかんない? しょうがないなーもうちょっとだけ詳しくやるから。) 〜二回目の驚きの直後〜 ここで一つ弁明しとくが、この話は決して百合の話ではない! なぜなら私は別に姫のことなんて好きでもなんでもないんだからね! 全く可愛くないとは言わないよ、それにあの長くて綺麗な髪をゆっくりと触りながら匂いを嗅ぎたいと思ったことは、一度や二度ではないよ。それにそれにあの整った顔をずっとまじかで見てたいし、姫の唇に私の唇を重ねたいと思ったのも二度や三度じゃないよ。それにそれにそれにあの私にとってはちょうどいい大きさの胸もう最高! あの胸を揉めるなら死んでもいいって思ったのも三度や四度じゃないよ。それにそれにそれにそれに〜以下略〜(ここまで全て早口です) 「ふぅー」 声を出していたわけではないけれど何故だか息をついてしまった。別に好きでもなんでもないただの幼馴染の、そう強いて言えば嫌いな箇所そうそう嫌いな箇所を心の中で早口で語っていただけなのに息をついてしまった。 そんな私の苦労もあって読んでくれている方には、姫がどれだけ魅力がない奴かわかってもらえたと思うのでそろそろ姫の家に向かおう。 「しょうがない行ってあげますか」 そんなセリフを口に出しながら太陽が少しずつ沈み始めた頃、私の足取りは好きでもない姫の家に行くだけのはずなのにどこか浮足だっていた。 (そして今押し倒されています。 え? うん、うん、えーまだわかんないの? しょうがないなー次で最後だからね。) 〜姫の家の玄関をまたいだ直後〜 「お邪魔します〜」 私はそう言いながら靴脱いで玄関に上がる。玄関のドアを開けてくれたのは姫ではなく、姫のお母さんだった。姫のお母さんは姫によく似ていてとても綺麗だ。この場合は、姫がお母さんに似ているが正解なのだろうか? 私はそんな疑問を抱きながら玄関に足をつく。 「水ちゃんいらっしゃい〜久しぶり〜」 「おばさん今日の朝も会ったから全然久しぶりじゃないよー」 「そうね確かに」 と姫のお母さんは微笑んだ。 そんな会話を終えた私は、お義母さんに一言挨拶をして、姫が待っている二階に行くために階段に足をかけた。 え? うんなんで私が姫のお母さんのことをお義母さんって呼んでるかって? それはねー私と姫は結婚するからだよ。私は別に姫のことなんて好きでもなんでもないけど、姫は将来絶対に私に結婚してって言ってくるから、そんなに頼むなら結婚してあげるみたいな感じ。 だから心の中だけでも練習しとかないとなって思って、5年前ぐらいからお義母さんって呼ぶようにしてるんだ。 そんなことを考えているうちに階段を登りきったようで、次に足をかける階段は無くなっていた。私ゆっくりと姫の部屋のドアの前まで移動した。 緊張をしているわけじゃない、だって私誕生日で18になったけどだからって突然何かがあるわけがない。ましてやあの受け身の姫のことだ本当に何もなかったという落ちに決まっている。この次の行には<物語シリーズ>みたいに、後日談とういうか今回のオチって書かれているはず。 そのはず。 そんな風に考えながら私はドアを開けた。開けると同時に言葉も発した。 「姫来たよ──さっきの右ストレート謝ってよね」 姫の部屋の中を見渡すとポツンとどこか緊張したような、面持ちをした姫の姿があった。そんな姫を横目に見ながら私はゆっくりと部屋に入っていく。 私が完全に部屋に入ったタイミングで、姫はとても人間業ではない速さで、私の後ろに回り込み部屋のドアの鍵をガチャと閉めた。 その音を聞いて私がドアの方に目を向けるとそこには、いつもとは真逆、攻めの表情の姫の姿があった。 その姿を見て私はゾクゾクしてしまった。この時私は、自分はMなのだと確信した。普段は隣にいるのが受け身の姫なので、Sっけが強い私だが(姫はそんな私を見て笑っている気もするが)やはり時には下になりたいのだ。 「水ーさっきの右ストレートはごめんね、つい照れくさくなっちゃってさー」 そう言いながら姫はもう手を伸ばせば私に届く距離には来ていた。私は少しだけ興奮しながらもやはり恐怖もしていた。なぜなら単純に姫がいつもと違うその一点だけなのだが、その恐怖で私は足を一歩ずつ後ろに下げていく。 ある程度下がったところで後ろに下げていた足に何かが、ぶつかった。足にぶつかった物は普段姫が寝ているベッドだった。これ以上は下がれないので、私は下がるのは諦めて眼を瞑った。(好きにしてくれという意味合いも込めて) 眼を瞑った直後姫は私の肩を掴み、そのまま後ろのベッドに私を押し倒した。 そして今押し倒されています。 これで大丈夫説明はできたはず、あと一つだけあるの思い出した。姫の足はMの人には最高の足だと思ってる。 私は押し倒されている間に考えていた。こんな好きでもなんでもないむしろ嫌いぐらいの魅力が全くない、家が隣のただの幼馴染に、処──一夜をともにしてしまうのだと。 そんな風に考えていた私の耳元には予想外の言葉が放り込まれた。隕石が地球に落ちるとニュースで報じられた時(そんな状況におちいったことがないので実際はわからないけど)ほどの衝撃を与えるぐらいの言葉だった。 「水⋯⋯血⋯⋯吸わせて」
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