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 九人の参加者全員へ魔術刻印を刻むのは無事に終了した。つまりはこれで、今回の戦いに参加する九人の魔術師が決定したわけだ。  しかし各々戦場に向かっていたりいなかったり、はたまた魔術刻印の意味を理解していなかったり。これではさすがに、開始まで間に合わない。  やむを得ない、転移魔術を行使する。本来ならば逆らった時点で国ごと灰燼と帰しているところだが、今回はそもそも国を持たない者もいる。失うものの大きさを考慮し、贔屓は止めよう。  まずこの戦いは行わなければならない。必ず、絶対に。  故に天界に唾を吐かない限りは見逃そう。無知は罪ではない。むしろ無知な地上の生物に知恵を与え、知恵を持つ機会を与えてやることこそ、天界の在り方というものだ。  さて、今回の戦場は神話時代に名を遺す異次元の大戦大陸・アトランティア。  今となっては人間など存在しない。神話時代から生き続ける固有の魔獣や神獣が生き続ける、まさしく神話の大地。人間が生き抜くには、それこそ過酷な環境だろう。  環境に殺されるか、獣に殺されるか、参加者に殺されるか。これまで第八次までの戦争の中でも、最も過酷と言っても過言ではない。まぁ、過酷な環境に耐え切れず自殺したいとなったなら、困らない環境でもあると言えるだろうが。  それが嫌なら殺すしかない。  獣を殺し、他の参加者を殺し、自分を殺しうる感情すら殺し、自分が死ぬ可能性をすべて殺して、生き延びるために他人を蹴落とし、他の命を殺し続けるしかない。  元より戦争とは奪い、奪われるもの。それを自覚せず、覚悟も決めていない者から死んでいく。当然の理論。否定する者は容赦なく死んでいく。  地上の歴史に善人が名を残せないのが、その証拠。人を殺し、残虐性を以てしても自分の命と損益を護らんとできる者こそが、歴史に名を残せる。  それこそ千年も生き続けるかの皇帝が、それを体現しているだろう。  さぁ、殺せ、生きろ、そして座せ。それが《玉座|いす》取り《戦争|ゲーム》の本懐だ。  戦場を走れ、駆け抜けろ。神話の大戦を再現するが如く、己の魔導のすべてを引き出し、刃と刃を交錯させて、血で血を洗う戦いを繰り広げて、地上の生物としての姿を見せつけるがいい。  浅ましく、自らの欲望に忠実に、自らの生に貪欲に戦い、殺すがいい。  これは戦争。負ければ死ぬ。終われば死ぬ戦争だ。生き残るには勝つしかない。  さぁ勝て、勝つためだけに戦え。戦場に集結せし九人の魔術師よ、勝って玉座を手に入れろ。
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