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 やあみんな。大学生活、楽しんでいるかな?  俺かい? 俺はねぇ……すっごい楽しい!  ここでは筆者の大学生活1年間分を総括して、物語風に語ってみたいと思う。  3月。  都内の某大学に合格が決まった。彼の実家は岡山であったので、新居を探すことになった。  とはいえ彼の家は裕福ではないので、あまり家賃にお金は割けない。  優秀な彼は返還不要の奨学金を3つ掛け持ちしていたとしても、だ。  そこで彼が目をつけたのは、岡山県出身の学生が運営している県人寮だ。  ここなら家賃も安く、濃厚な大学生活がおくれること間違いない。  彼は即決で入寮することにした。  4月。  いよいよ引越しである。自分の住む部屋に入った瞬間、きついたばこの匂いがした。  彼の家にはたばこを吸う人がいなかったので、彼にとっては中々堪える出来事だった。  即座にイオンでファブリーズを5本買った。匂いが気になる度に吹きかけていた。  引越しからしばらくして、オリ合宿と呼ばれる行事があった。  彼が入学した大学にはクラス制度があり、オリ合宿とは上のクラス(通称上クラ)と一緒に、軽い旅行をするというものだ。  彼はそれに遅刻した。出発時刻が過ぎてから起きた。  まあ近場だったので合流できた。  彼はそこで同クラのフレンズと親睦を深め、気の合う友達も何人か見つけた。  続いて、寮の新歓があった。  これがまたふざけた行事だった。  彼の住む寮は、華やかな大学生活とは無縁な世界だった。  新入生は、日本酒2合を一気飲みすることになっていたのである。  それを聞いて恐れおののいた高校同期4人のうち1人は既に寮を辞めていた。  日本酒を飲みきり、椅子に座り込んだ。  すぐに自分が酔っていることを自覚した。  しばらくはそこまで気分も悪くなかったが、次第に体が動かなくなっていった。  見かねた2年生が彼を便所に連れて行き、背中をさすってしこたま吐かせた。  吐いている最中は血が逆流しているような感覚があり、大層不快だったが、吐いてしまえば少し楽になった。  眠るか眠らないかの淵を彷徨いながら、彼は、何をとは言わないが、「失敗したな」と悟っていた。  また、部活にも入った。  彼は高校の時に弓道をやっていたので、当然のように弓術部に入った。  しかし、高校の時とは流派が違ったり、そもそも高校弓道と大学弓道のレベルの違いに翻弄され、経験者ながらパッとしない実力をさらけ出すことになってしまった。  最初は期待の目で見ていた同期も、そんなに上手くないとわかってからは、あまり話しかけてこなくなった。  5月。  ゴールデンウィークに家に帰ろうかと母に聞くと、かえってこんでいい、と言われた。少し寂しかったが、部活もあったので別に気にしなかった。  ここで彼は初めて部活でやらかした。  練習を寝ぶっちしたのである。  しかも続けて2回やってしまった。  これには流石の2年生もブチギレで、彼は道場に呼び出され説教を受けた。  この頃から彼は寝ぶっちキャラとして定着していった。  また、寮の悪しき伝統行事もあった。  ウィスキー祭りである。  ビンゴをしながらウィスキーをロックで飲む、大変高尚な祭りだった。  ビンゴといっても、揃えばいいと言うものではなかった。揃ってから、くじを引く権利が与えられるのである。  くじにはあたりとはずれがあり、あたりには「○等」、はずれには「○○飲み」と書いてある。  〇〇飲みとは、〇〇に当てはまる者はウィスキーを飲め、ということである(例:ち○ぽ飲みなど。ちなみに男子寮なので全員である)。  彼は自分が潰されて、翌日の試合を寝ぶっちすることを恐れ、2年生にあらかじめそのことを連絡した。  ふざけるなと返ってきた。  彼は逃げ場を失い、ウィスキーなる劇物とタイマン張ることになってしまったが、なんとか彼は耐え、再度の寝ぶっちはなんとか回避できた。  また、彼は初めて試合に出た。  しかし、アニメ、ツ○ネを見てご存知の方も多いと思うが、彼は早気であった。  案の定爆速で離れてしまい、部に迷惑をかけて終わった。  6月。  初めての試験があった。数学だった。  彼は極度の数弱であった。  授業は全部出て、板書もきちんととっていたが、彼は単位を落とした。  やってもわからなかったのである。  このことが部活同期に知れると、彼のキャラは更新され、寝ぶっち落単キャラへと覚醒した。  7月。  またもや試験があった。  ここでも彼は単位を落とした。化学熱力学である。  彼は生物選択だったので、物理はからっきしであった。  徹夜して臨んだものの、あえなく単位は落ちていった。  8月。  部活の10日間に及ぶ強化練、合宿が行われ、彼もこれに参加した。  弓術部では相互指導の精神を重んじていたが、彼は口下手であったため、強化練中、一度も指導を仰げずにいた。  すると強化練最後の反省会で、4年生に、名前は伏せられたが、明らかに批判された。  彼は萎えに萎えて、頑張って勇気を出し、合宿では指導を頼みに頼みまくった。  あまり上手くはならなかったが、指導を頼めるようになった。  9月。  この月にはリーグ戦が行われた。  弓術部が最も重視している試合である。  弓術部の試合メンバーは、木金に行われる一次選考、土に行われる二次選考を通過した者がなる。  リーグ期の一次選考の底は14/20。早気の彼には酷な数字であった。  案の定彼は落選したが、自由練習で指定の的中を上回れば復活できるという復活システムがあったので、夜11時まで弓を引き、なんとか復活を果たした。  しかし、まわりの経験者4人が通過する中、二次選考で落選。  経験者として唯一仕事をすることになった。  仕事というのは、試合の手伝いである。5人で行う。  こうして第1週は終了した。  経験者4人は通過。しかし彼は落選。  この状態が第3週まで続いた。  しかし、第4週では、経験者が2人落ち、経験者3人含む5人で仕事をすることとなった。  が、ここまで仕事メンバーはほぼ固定であり、ポンコツの彼を除いた未経験者4人に仕事経験が偏っており、毎週仕事をしており第4週も仕事に選ばれたKは、経験者の仕事の技量を心配していた。  して、事件は起こった。  やらかしたのは、あろうことか毎週仕事をしていたはずの彼であった。  彼は矢を拭かずに選手の人に渡してしまったのである。  これには主将、副将、果てには主務の方までブチギレであり、彼は反省会後、彼のための反省会が行われた。  彼の顔は死んでおり、2年生も声をかけられなかったほどだった。  10月。  彼の学校はリーグ戦で負け続けたため、入れ替え戦のために10月まで試合がもつれ込んだ。  リベンジとばかりに彼は頑張って仕事をし、入れ替え戦の仕事は大成功だった。  もっとも、試合自体は負けてしまった。というか、試合に出る努力をした方が良かったかもしれない。  まあ、彼は努力していた。リーグ期には、部内で二番目に多くの矢を射っていた。  まあしかし、時間が足りなかった。彼の射は、初期状態が中々にやばかったからである。  リーグ戦が終わりオフになったが、彼は頑張った。それはもうホントーに頑張った。  的中率は5割にも満たなかったが、経験者の中で最も矢数をかけていた。  早気は中々治らなかったが、それでも周りの部員は、彼のことを認め始めていた。  11月。  彼の射がようやく光を浴びることとなった。  急に上手くなったのである。  的中率はいきなり1割も向上し、5割5分となった。  とはいえタイミングが悪く、試合等ない時に開花してしまい、微妙な雰囲気ではあった。  12月。  寒稽古なるものがあった。  朝の7時から練習を行う鬼畜行事である。  彼は寝ぶっちを克服し、朝の準備は万全であった。  しかし、ここでも彼を阻むものがあった。  寮である。  寮では月1で会議が行われ、その後深夜まで宴会をするという大層馬鹿らしいイベントがあった。  しかもあろうことか、寒稽古中に会議が行われることになっていたのである。  彼は考えた。いっそ嘘をついて欠席するか。それとも、徹夜して臨むか。  彼の結論はこうだった。  彼は爆速で宴会を切り上げ、部屋のドアに鍵をかけ、爆速で就寝したのである。  彼の作戦は成功し、彼は寒稽古中、一度も寝坊することなく寒稽古を終えた。  ところで、会議中にも事件があった。  寮では毎年2月に、追いコンを行なっているそうだ。  しかし、追いコンの日程は部活の強化練と被っていた。  その旨を告げると、「追いコンは部活動なんかとは次元が違う」などと言われた。  彼はもうブチギレた。  彼の脳内議会では退寮が満場一致で可決された。  また、寒稽古中彼はもう一度覚醒した。  10日間の寒稽古で彼は2088もの矢を射った(部内1位)が、その的中率は6割を超えた。  まあ、試合はなかった。  1月。  ついに彼の的中率は7割を超え、3月に来る新人戦に向けて期待が高まるばかりだった。というのも、彼以外の経験者は全員リーグ戦に出てしまっているため、新人戦の出場条件を満たしていないのである。  と、ここで事件は起きた。  期末試験である。  彼はあまりに授業がわからないため弓道に打ち込み過ぎて、もはやにっちもさっちも行かなくなっていたのである。  そして彼は進級に必要な単位数を満たせず、3つの奨学金は余すことなく切られ、生活が困難となり、大学を中退した。  あれほど苦労し、努力し、やっと力がついてきた弓道は。  終わった。  官僚を目指し、そのために頑張って入った大学も。  終わった。  全てが終わった。  彼が無駄にしたのは1年ぽっちでは決してなかった。  大学目指し頑張った高校3年間も棒に振ることとなった。  ……以上が、筆者の1年弱の間に起きた出来事である。  今これを読んでいるあなたが高校3年生であるなら、どうか単位は頑張ってとっておいた方がいい。  あと、受験頑張ってくれ。  ムシャクシャしてこんなものを書いたが、何かの参考になれば幸いである。  スチューデントアパシーには気をつけてほしい。  アディオス。
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