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 私が通う高校からの帰り道、友達と別れた私は少し暗くなってきた空を見上げながら歩いていると、人にぶつかってしまった。 「ごっ、ごめんなさい」  私は謝りながらぶつかってしまった人の顔を見ると、その人は綺麗に長く伸びた黒髪で顔も凄く整っていて、正に美人と言った人だった。  するとその人は私に手を差し伸べてくれた。 「こっちこそごめんね、怪我とかしてない? 大丈夫?」  その人はとても優しい口調で私の心配をしてくれている、私はこの人にこれ以上心配をかけたくないので、早口で。 「大丈夫です! 怪我全然してないです」  するとその人の表情は心配そうな表情から、笑顔に変わっていく。 「それはよかった」  するとその人は足元にある画面が、光っているスマートフォンを手に取り。 「これはあなたの?」  と聞いてきた。  そのスマホの画面には、二次元の女の子同士がキスをしている画像が映しだされていた。  スマホのホーム画面を誰かに見られるなんてことを、想像もしていなかった私は趣味丸出しの画像をホームの画像にしてしまっていた。 「まぁはい一応私のです」  私は慌てながらもあくまで冷静に言ったつもりだったのだが、顔には出ていたようでその人は笑っていた。 「ふふ、あなたのなのね、はいどうぞ」  その人はそのまま言葉を繋げる。 「私もこういう女の子同士のやつ、たまに見るから別に隠さなくても大丈夫だよ」 「ありがとうございます」  私は渡されたスマホを受け取り、まださっきの感情が残っていたが、お礼を言った。  するとその人は慌てた様子で。 「ヤバいもう妹帰って来ちゃってるかも、妹に言われた本を買って帰る途中だったんだ、妹怒ると怖くって、それじゃあ、ぶつかちゃってごめんね」  そう言いながら私の横を歩いていく。  私は最後に、その人に聞きたいことを思いついたので、その人を引き止めるように聞く。 「最後に一つ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」  するとその人は足を止め。 「どうしたの?」  とだけ呟いた。 「あなたの、あなたの名前を教えてください!」  私は大きめの声で聞くとその人は、そんなこと? という表情をしていた。 「私の名前は、白石 百合だよ、あなたの名前は?」 「私の名前は、水野 葵です!」  私は元気よくその人に、百合さんに自分の名前を伝えた。  すると少し離れた場所にいる百合さんは、手を振りながら。 「葵ちゃんね覚えとくよー、それじゃあまたどこかで会ったらお茶でもしようね」  そう言いながら百合さんはさっていく。  百合さんが去っていくのを見届けながら私は、下の名前で呼ばれたことに対して、照れていた。  顔を赤くしながら自分の家に帰っていく、そういえば百合さんの苗字の白石ってどこかで、聞いたことがある気が。  しばらく考えても答えは出なかったので、思い出すのは諦めて、百合さんのことを考えながら道を歩いていく。  どうも私は百合さんに一目惚れをしてしまったらしい。  百合さんと出会った後に家の前についた私は、家のドアを開けながら。 「ただいまー」  と言いつつ玄関に靴を脱いでいく。 「姉ちゃん何ニヤついてんの? 気持ち悪いよ」  目の前を見ると弟の大河が、本当に気持ち悪そうに私を見ていた。 「え!? そんな気持ち悪かった?」  私はそんな気は一切なかったので、一応大河に確認をとってみるが、大河は私を気持ち悪そうに見ながら無言で、頷くとそのままリビングに行ってしまう。  そんなにニヤついてたかな? と疑問に思いながら部屋に手荷物を置き、お風呂に向かう。  お風呂に浸かった私は、お湯に顔を半分埋めながら百合さんのことを考えてしまう。  三次元で恋をしたのは今回が初めてだった私は、言葉にできない気持ちでいっぱいになってしまっている。  そんなことを考えているうちに、お風呂に入ってから結構時間が経ってしまったようで、外から声が聞こえる。 「葵ー、早く出てきなさいご飯食べ始めちゃうわよー」  声の主はお母さんだった、お母さんは私を急かすように呼びかけている。 「はーいもうでるよー」  そう言いながら私は、お風呂から出ていく。  お風呂から出た私は、家族が私を待っているリビングに向かう。  私は料理が並んでいる机の前に座った、箸を持ち。 「いただきまーす」  と言いながら私はご飯を食べ始める。  食べ始めて少し経った頃私はぼーっとしていたのだろうか、飲み物が入っているコップをこぼしてしまった。 「姉ちゃん何やってんの!」  大河の声で正気に戻った私は手を合わせて家族全員に謝った。 「ご、ごめん、私が拭くから」  そう言いながら私は台所に台拭きを取ってくる。  机を拭きながら大河に注意されてしまう。 「姉ちゃん今日帰ってきてからなんかおかしいよ、玄関の前ではニヤニヤしてるし、いつもはそんなに長く入らないのに、今日はすっごい長風呂だったし、今もぼーっとして飲み物こぼすしで、なんかあったの?」  今日初めて恋したんだー、しかもその人女の人なんだー、などと言えるはずもなく私は、色々隠すように。 「うん、別に何もないよ何も、それじゃあ私もう自分の部屋行くね」  そう言いながらリビングを後にし、階段を登って自分の部屋に向かう。  自分の部屋についた私は、ドアをそっと閉め勢いよくベッドに飛び込んでいく。  ドンとベッドに飛び込んだ私は、ベッドの上に置いてある枕を抱きかかえベッドの上をのたうちまわる。 「ああーーーーーーーーー」  声を出しながらのたうちまわっていると、ご飯を食べ終わったのだろう、上に上がってきた大河がドアをノックしている。 「姉ちゃんうるさいよ!」  大河は少し怒っている様子だったので、私は素直に謝る。 「ごめん静かにするよ」  大河は「わかった」と言って自分の部屋に向かっていく。  流石にこれ以上変な行動をすると、怪しまれすぎるので、私は眠りにつくことにした。 「あー百合さん会いたい」  最後に一言小声で呟き私は、目を閉じ眠りについていく。
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