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雑談も終わり向日葵と一緒に玄関に向かう。 玄関で靴を履いていると、リビングから百合さんが出てくる。 「もう帰るの?」 「は、はいもう結構遅い時間なので、帰ります」 私は突然出てきた百合さんに驚いてしまって、声が裏返ってしまった。 そんなことは気にせずに向日葵は雑に喋りだした。 「あの分かれ道まで、葵送ってくるから」 と言いながら向日葵は家のドアを開け、外に歩き出していく。 私もそれを追いかけるように外に出ていく。 百合さんは「じゃあねー」と言いながら手を小さく振っていた。 「はい、お邪魔しました! 色々ありがとうございました」 私は挨拶をしてドア完全に閉じて、向日葵を追いかける。 分かれ道までの道中私は、百合さんを見て思い出した気になっていたことを向日葵に質問した。 「なんで百合さんが、向日葵のお姉さんって教えてくれなかったの? それに私向日葵にお姉さんがいるなんて聞いたことなかったよ 向日葵は困った表情をしながらも答えてくれた。 「お姉ちゃんがいることを言ってなかったのは単純に、言うタイミングがなかったのもあるし、それに昨日までお姉ちゃん家にいなかったからさ」 いなかったって? と私が驚きの表情をすると向日葵はちゃんと答えてくれた。 「大学の方の家で一人暮らしをしてたんだけど、昨日突然帰って来たんだよ。私が帰ってきた理由聞いても教えてくれなくてさ」 そっかまぁ大人には、大人の悩みがあるのだろうと勝ってに納得をして、私は向日葵にもう一つは? という目線を送った。 向日葵は私の目線の意味を感じとったのか、一回咳払いをして喋りだす。 「もう一つはホントに単純に葵の驚いてる姿を見たかったただそれだけ」 向日葵は微笑んだ後に言葉を続ける。 「ばっちりだったよ驚いた葵の顔、可愛かった!」 私は向日葵の笑顔に思わず照れてしまうが、照れを隠すように向日葵の体を数回優しく叩き、笑顔でお礼を言った。 「ありがと向日葵、百合さんに合わせてくれてホントにありがとう」 そう私が言うと向日葵も照れを隠すように喋りだした。 「いいよ別にお礼なんて、ただ一つ私からも聞きたいことがあるんだけどいい?」 私は何も考えずに「何?」と聞き返した。 「葵がさお姉ちゃんに名前と苗字聞いたときさ、葵何も気づかなかった?」 向日葵は下を俯きながら、少し暗めの声で質問をしたきた、私は動揺してしまい「ど、どういうこと」と声を震わせた。 「だからね、私! 私の苗字!」 向日葵は自分自身を指差しながら強めの口調で答えを返した。 私は向日葵の苗字を考える、頭をひねり考える、すると頭の中に一つの苗字が浮かび上がった、その苗字を私はすぐに口に出した。 「白石、白石だ! 百合さんと一緒の苗字だ」 私はそれに気づくと向日葵の方向に振り向いた。 すると向日葵はやっと気づいたかと言わんばかりに、ため息をついた。 「気づくの遅いよ、葵」 「ごめん、向日葵は向日葵だったから苗字とか気にしたこと、なかったからさ」 私は笑顔で答えを返した、すると向日葵は「なにそれ」と笑いながら呟いた。 「葵はもうお姉ちゃんしか見てないんだね」 向日葵は私に聞こえないぐらいの声の大きさで何かを呟いた。 私が「なになに?」と聞くと勢いよく向日葵が抱きついてきた。 「私、私ね」 向日葵はそこで俯いた、その声は震えていて、顔にも涙が一粒垂れていた。 「私、二人のこと応援するね」 向日葵の顔には笑顔と涙が同時に存在していた。 向日葵はとても悲しそうに笑っていた、まるで本心を無理矢理押し殺すように。 私はなにも声をかけられなかった、向日葵は私から体を離すと分かれ道まで歩きだした。 分かれ道までたどり着くと向日葵は足を止めた。 「葵また明日、ここで待ってるから」 向日葵の顔にはもう涙は見えなかったが、嘘の笑顔が残っていた。 「うんまた明日ここでね」 私は笑顔を作りそう言った、それ以外の言葉が出てこなかった、なぜなら向日葵が嘘をついている理由が私にはわからなかったからだ。 向日葵が自分の家に帰っていく、本当はここで向日葵に「ホントはなにが言いたいの」と聞くべきだったのかもしれなかったが、私は黙って自分の家の方向に歩いていく。 家に帰った私は分かれ道での感情を引きづりながら、家のドアを開ける。 「ただいまー」 と私は昨日よりも静かな声で呟きながら玄関に入っていく。 するとちょうど玄関の前にいた大河が、驚いた表情を見せていた。 「お姉ちゃんなんでそんな暗い顔になってるの? 昨日はあんなにニヤついてたのに」 私は大河に「色々とね」とだけ言い残し荷物を置きに自分の部屋に向かった、その時の大河の表情は、何かを言いたげな表情だった。 荷物を置き終わった私は、お風呂に向かった。 私はお風呂に浸かりながら、向日葵のことを考える。 あの時向日葵が何を言おうとしたのか、何が理由であんな悲しそうに笑っていたのか、私は考えても考えてもどれだけ考えようと答えはでなかった。 そんなことを考えているうちにまた長く浸かっていたようで、外からお母さんの声が聞こえてきた。 「そろそろでなさい、葵ー」 私は何も答えずにお風呂を上がり、リビングに向かう。 リビングで私は一言も喋らずにご飯を食べ、食べ終わるとすぐにリビングから自分の部屋に向かう。 部屋についた私はふとスマホの画面を見ると、一件のメッセージが届いていたメッセージを送ってきた相手は、百合さんだった。 私は沈んでいた気持ちを少しだけ昇らせてメッセージを開く。 「こんばんは〜いきなり送ってごめんね、ちょっと聞きたいことあるんだけど今大丈夫?」 メッセージにはそう書いてあった、文が送らてきた時刻が、私が部屋にスマホを置いてからの時刻だったので私は。 「今気づきました。気づくの遅れてごめんなさい、今からならいくらでもやりとりできますよ」 私は気持ちが沈んでいるのを気づかせないために、頑張っていつもと同じようなテンション感で文を書いて、百合さんに送る。 時間も結構空いたので、しばらくは返信はこないだろうと安心していると、ピコーンとスマホが鳴りメッセージがきたことを知らせる。 私は少し驚きつつもメッセージを開く。 「突然送ったのは私のほうだから気にしなくていいよ〜、それじゃあ単刀直入に聞くね、さっき二人で帰るとき何かあった?」 その文を見て私は固まってしまった、ただ何か返さなきゃという気持ちで、なんとか正気に戻り「なんでですか?」と打ち込みメッセージを送る。 するとまたもやすぐに返信が返ってくる。 「帰ってきた向日葵の表情がなんか、悲しそうなのに笑ってたから少し気になって」 その文から百合さんの、向日葵を心配する感情がひしひしと感じられた。 私は一文を書いて返信をした。 「ごめんなさい何があったかは言えません」 「どうして?」 百合さんは止まらず返信をしてきてくれた。 私もそれに答えるようにすぐに返信をしていく。 「ごめんなさいどうしても無理です」 「どうして? 理由は?」 私は返信を書く指を一瞬止めてしまったが、すぐにもう一度指を動かし返信をする。 「理由は、理由は言えないです、ただこの問題は私と向日葵でちゃんと解決します」 この文を送った後、少しの間返信が途絶えてしまったが、数分後ピコーンと鳴り返信が返ってきた。 「わかった、このことに関しては私はなるべく関わらないようにする、ただもし何か相談したいことが、あればいつでも聞いてきていいからね」 百合さんの優しい部分が感じられる文に私は、すぐさま返信をする。 「ありがとうございます!」 私はその一言だけを打って返信をした。 これでやりとりは終わりだと思い、スマホを手から離そうとした時にピコーンと、またスマホが鳴っていた。 急いでスマホの画面を見ると百合さんからの返信がきていた、私はなんだ? と思いメッセージを開く。 「それじゃあもう一つの本題いくよ、あの二人きりの時ホントに何もなかったの?」 私はため息をつきながら返信をした。 「ホントに一切やましい気持ちなんてなかったですってば」 「ホントに?」 「ホントにです」 「あの時の向日葵の表情見た?」 「あの時の向日葵の表情? 見てないです」 「あの時向日葵まんざらでもないような感じだった気がするけどねー」 「多分気のせいだと思いますよ」 私は向日葵のことを考えつつも、このやりとりを時間を忘れて楽しんでいた。 ふと時間を見ると、もうそろそろ寝ないと朝起きれなくなる時間になりかけていた。 私は百合さんに「そろそろ寝ます」と送るとすぐさま百合さんから「はーい」という返信が返ってきた。 私は眠る前に向日葵に一つメッセージを送った。 「今日は色々ごめん、また明日」 すると向日葵からもすぐに返信が返ってくる、さすが姉妹と思いつつメッセージを開く。 「葵は何も悪くないよ、気にしないでね。また明日」 私はそのメッセージを見終わると、眼を瞑り眠りについていく。
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