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 夜のソロモンは魔法の街灯のお蔭でそこそこ明るい。  これは鉱山が24時間稼働していて眠らないからだ。  鉱山は0時6時12時18時の6時間おきに鉱山に鉱夫を送り込み同時に鉱山に入っていた鉱夫を排出する。  商業ギルドではそういう鉱夫を相手に23時5時11時17時に店を開けるところが多い。 また酒場に娼館といった風俗関連の店では24時間営業な店も珍しくない。  時間は午前2時ちょっと前。この一角はようやく眠りについた。  ナオとリベッチオが来たのはそういった風俗街の一角にある小さな商会の建物の前だ。  看板にはミカワヤという屋号が書かれている。  このミカワヤ。表向きはこの風俗街で使う日常品を仕入れる問屋だが裏では娼館に奴隷を卸す非合法な人身売買組織である。  先代はまともな商人だったのだが、数年前にソロモンから北西にある大国の魏府王国に行商に出た帰りに野盗に襲われ跡取り共々惨殺されたのだ。  そうして店の跡を継いだのが番頭のノームヒュン。  彼はまるでそうなるのが解っていたかのように立ち回るとあっという間に店の実権を握り裏稼業へと乗り出していったのである。  ナオが指輪に手を触れると彼女の足元に黒い靄が出来る。 黒い靄はそのままミカワヤの建物の隙間に吸い込まれていく。 「視覚同調」  ナオが呟くのと同時にナオの眼の前に、いまミストが捉えている部屋の様子が映される。  ミストの事前偵察でこの館の地下に2人の女のエルフと1人の男のエルフと虎人に女の猫人が拘束されていることを掴んでいる。  これからするのは囚われたエルフ達の面通しだ。 「!!!!」  地下室らしい所に到達したナオは眼前の光景に絶句した。  ナオも知っている同じ村のアルファという名前の男エルフが壁に手をつかされズボンを降ろされている所だった。  左目が火傷で潰れている男の虎人が自分からズボンを降ろすとぼろんという擬音が聞こえてきそうな逸物が零れ落ちる。  ネコ科特有の棘をびっしり纏った業物を女の猫人が虚ろな目で見つめながら口一杯に頬張る。  その光景を両脇に二人の女エルフを侍らせたまま冷たい目で見ている禿頭の中年男性がいた。  この禿頭の両脇いる女エルフもナオは知っていた。エルとアールという名前の姉妹だ。 「心を折っているのか」  リベッチオは禿頭の意図を推測する。  奴隷の首輪の仕様に奴隷の首輪を装着するにあったっては装着者の同意が必要だ。  これは過去に寒村を襲って住民を経済奴隷に落とす奴隷狩りが横行した結果だが抜け道はある。  契約時に抵抗しないよう心を折ってしまえばいいのだ。  ただ短期間に心を折るには技術が要る。やりすぎて心を壊せば商品にならず大損を被るのだ。  なおクスリや酒を使用しての心神喪失はステ-タス異常で簡単に弾かれる。  性奴隷として売り払うための調教を兼ねているらしい。  ちなみにこの世界では男や女が娼館で春を買うのは珍しい事ではない。  相手の性別も関係ない。  種族も関係ない。  ホビットなど見た目がお子様な者もいればおば…ゲフンゲフン  エルフなら女も男も娼婦、娼夫の需要があるということだ。  あー!な展開に興味はないのでリベッチオに視線を送る。  リベッチオは器用に建物の屋根へと上る。 ガタン  リベッチオが屋根を蹴り飛ばす。  音に気付いたのかミカワヤの店舗のドアから男が出てくる。 すっ  ナオは男の背後から手を口に回し同時にナイフで喉を掻っ切る。 「おいどうした」  外に出た男が倒れたのをみた男が速足でドアに近づく。 とす  ナオは真下から男の顎にナイフを突き立てる。  ミストとの視覚同調で夜番がこの二人なのは確認済みだ。  ナオはずるずると死体を店舗の中へと引きずり込む。 「いこうか」  遅れて入って来たリベッチオに小さく告げると地下へと向かう階段に足をかけた。
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