フォントをダウンロード中
ページの左右でマウスを左クリックします。
または、 キーボードの左右の矢印キーを入力します。
ページ上で指先を左右になぞると、 前/次ページへ移動します。
メニューはページをタッチすると現れます。
× ヘルプを閉じる
戦姫学園の生徒会の地位は、前年度の体育祭、全学年総合模擬戦の上位戦績者から選ばれる。 ゆえに、生徒会会長の座は、すべての学年を含めた学園最強の座として認知されている。あのラウラ・ルアルディが二年連続で生徒会会長の座に就いていることが脅威的であること、そして山神真湖が二年生にして副会長の座に昇りつめたことがどれだけ血の滲む努力の成果か、一応はカリンも分かっているつもりでいた。  目の前で起きている超高速戦闘を肌身で実感して、恐怖に畏れおののくしかできない今、カリンはコロシアム式訓練場の一角で、立ち尽くしていた。  ラウラの駆る紫のアイリスカラーのペルニカは、踵のワイドシンプルヒールに重心を乗せ、星見草へ向けて猛攻を繰り広げていた。両腕から生えるように伸びる剣の切っ先が、星見草の装甲を削っていく。片や、星見草も短槍を縦横無尽に振り回し、ペルニカの攻勢を時に押し返し、決して防戦一方にはならなかった。  火花散る攻防、GAというロボットがここまでの動きを可能にするとは、と万人が驚くであろう機動力。瞬時に入れ替わる攻防は、もはや人の目には部分的にしか追いきれない。  ペルニカが星見草の頭部を狙って右ストレートを放つ。  星見草はわずかに頭部を傾けて回避、反撃とばかりに腰を回して右のハイキックを繰り出す。だが、ラウラには読まれていた。ペルニカの左腕で防がれ、真湖の星見草は一旦後ろに下がる。  星見草のリーチは短、中距離だ。対してペルニカは両腕剣の短距離のみ、他に装備はない。距離を取った以上、星見草が有利かと思われた。  カリンは叫ぶ。 「先輩、行けーッ!」  聞こえるはずのない声援に応じるかのように、星見草は動いた。  星見草は左の短槍を薙ぐ。間を置かず、右の短槍を鋭く突く。  しかし、短槍の届く距離には、ペルニカはいなかった。  いたのは、星見草の後ろだった。 「え……!?」  おかしい、とカリンが疑問を口にする前に、ペルニカはとん、と右腕の剣を星見草の首元に置いた。  星見草はゆっくりと短槍を下ろした。勝負はもうついてしまったのだ。  星見草の大技の前で、ペルニカは一体何をしたのか。カリンには、分からなかった。確かに両の目で見ていたはずなのに、ペルニカがいつの間にか星見草の後ろに回っていたのだ。あまりにも素早すぎて、カリンの目が追いつかなかったのか、それとも、何かカラクリがあるのか。  ペルニカと星見草は互いに武器を下ろし、コロシアム式訓練場を後にする。カリンは急いで、星見草の所属する第二《格納庫|ハンガー》へと向かった。
1
15
シリーズ一覧
感想を送る
作品を紹介
ブックマーク
しおりを挟む
作品情報
使い方
登録が完了しました!
確認事項
戻る
実行